小笠原で感じる ―― 非日常的風景8選 ――
片道24時間のおがさわら丸。
東京竹芝を出港した翌朝、目が覚めてデッキに出る頃にはすっかり取り巻く空気も海の色も変わります。
1000km、片道24時間の船旅でしか行くことの出来ない小笠原諸島・父島。
長い船旅のその向こうで感じられる父島の「非日常的風景」をちょっとだけご紹介♪
ここでは、ガイドツアーで行ける場所は勿論、ツアーではなくてもご自身で行ける場所をピックアップしております。
ご滞在中のフリータイムや、ツアーへのご参加の際に行くことが出来る場所、出会える可能性のある生きもの達を中心に父島のフォトジェニックな場所や時間・生き物達のご紹介です。
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二見港のある大村から頑張れば徒歩でも行けてしまう絶景ポイント。
バイクや車でも行けるし、最近は電動アシスト自転車で登っていく方も結構見られますが、これが、なかなかの上り坂…でも、その坂を登り切った先に待つ絶景を目の当たりにすれば、誰しも頑張ってよかったと思える、そんな風景が待っていますよ!
1960年代、米軍が建設した気象観測所があったことから付いたのがウェザーステーションの名前。今も気象庁の高層気象観測装置がおかれている文字通りの気象観測地点でもあり、父島を代表する絶景ポイントです。
どの時間に行っても美しい場所ですが、特に、島を取り巻くボニンブルー全開になる午前中に訪れてもらうのと、その開放的な場所で身も心も解き放たれて眺める夕陽の時間がおすすめ。
また、冬~春に掛けてはこの展望台からお天気さえ良ければ眼下の海にザトウクジラ達の姿も見ることができちゃいます。ピークシーズンの2月~3月には本当に普通に沢山のクジラ達が見られるのです。こんな場所、国内では他にはなかなか無いですよね。

 

~アクセス情報~
・車:大村から4~5分
・バイク:大村から7~8分
・電動アシスト自転車:大村から10~15分
・徒歩:大村から30~40分
★歩いて夕日を見に行く時には懐中電灯をもっていきましょう。
 また、歩いていくときには靴で行くのがおすすめです(ムカデに注意!!)。
★ガイド付き島内周遊ツアーや森山ツアーの休憩時などにも訪れることがあります。

2.旭山

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1862(文久元)年に島を訪れた江戸幕府の調査隊(文久の巡検隊)がその山頂に立ち日章旗(日の丸)を掲げた事がこの山の名前の由来です。
大村の集落からも比較的間近に見える旭山は、ガイド付きでなくても歩ける遊歩道を歩けますが、舗装はほとんどされていない山道です。ところどころ階段が設けられて比較的歩きやすいですが、一方で急な勾配もありますので、それなりに歩ける服装と靴が必要。特に雨上がりは赤土がぬかるみ転倒の危険アリですのでくれぐれもご注意くださいね。遊歩道の入口までは車やバイクか、ここも頑張れば電動アシスト自転車でも…

町から歩いていくにはちょっと距離がありますが、最初から島を歩いて回ろうという方であればいけないことはない場所です。ただその場合(特に夏場)は飲み物を十分にお持ち下さい。遊歩道の入口まで車輌で行く場合であれば最低500ml×1本あれば大丈夫ですが、お宿や港周辺から全て歩きでお考えの方は500ml×3~4本はお持ちいただかないと、街を離れてしまうと途中で飲み物が買える場所や汲める場所はありませんので大変なことになります…。くれぐれもご注意下さい!

遊歩道は、入口からいきなり森に囲まれた山道を歩きはじめ、主に乾性低木林と呼ばれる父島独特の植生と二次林を抜けてアップダウンを何度か繰り返します。8月終わりから9月にかけてはこの旭山で見つかったことから名が付いた「アサヒエビネ」という固有のランも見られます。
そんな山道を歩きながら約20分で山頂に到着すると、ここでもため息が出ちゃう素晴らしい風景が待っていますよ。

山頂とその先にもう一つあるピークからの展望は、西側に見下ろす眼下の二見湾とその周辺に広がる山並みや兄島、弟島などの風景となるので、午前中の順光で見る青い海に囲まれた風景がより色彩が鮮やかです。
ここでも夕陽も素晴らしくこれも心打たれる風景ですが、夕日を見るのであれば、暗くなった山道を歩く勇気としっかりとした懐中電灯が必要です。

また旭山には「旭山山頂」の他に「旭山南峰」というもう一つのピークがあり、こちらも訪れることが出来ます。山頂へ向かう山道の途中に分岐がありますので、山頂へ行った後その分岐まで戻り再び南峰へ登坂というのも可能です。南峰へ行く途中の尾根の岩場には冬になると咲くムニンタイトゴメという固有種の可愛らしい花が見られることも。ただ、とてもとても小さな花なので、足元は要注意です!

 

~アクセス情報~
~旭山遊歩道入口まで~
・車:大村から約10分
バイク:大村から15~20分
・・電動アシスト自転車:大村から30~40分
・徒歩:大村から1時間~1時間半
アクセス~旭山遊歩道入り口から山頂まで~
・徒歩:約20分(距離…約800m)

3.小港海岸&中山峠

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車輌で行くことが出来る父島最南端の海岸です。
車、バイク、自転車の他、村営バスが大村(役場前)から発着しているのでそのバスを利用してもアクセス可能で、この小港海岸が村営バスの南の終点になります。そしてこの小港海岸のバス停、知る人ぞ知る「東京都最南端のバス停」なのですよ。
バス停の看板には不思議な顔のクジラさんとともに「東京都最南端のバス停」と書かれていて、ベンガルボダイジュという独特の雰囲気を醸す木がバス停とともにロータリーに立っており、すでにここだけでもフォトジェニック♪ しかしそこから先もなかなかのに情緒溢れる風景で、海岸に向かう遊歩道に入るとタマナ(テリハボク)やモモタマナ、ハスノハギリといった南方由来の巨木が作り上げる海岸林がお出迎え。もう既にこの海岸林に入ったっだけで「どこだここ?」っていう感覚になると思いますよ。

その海岸林を進み、かつての「海の家」の建物や、屋根にオガサワラビロウの葉を葺いた休憩所を通り過ぎると白い砂浜は目前。父島で一番広いビーチでもある「小港海岸」に到着です。
この海岸へのアクセス、海岸林の入り口からまっすぐ海岸へ抜けても勿論いいのですが、おすすめは午前中からお昼にかけて海岸に出る正面の道から右に入る小道を通って、トイレの方に向かって海岸林をそのまま歩き、北側の端っこにある休憩所の方まで進んでもらうと、海岸林の木々のシルエット間から白い砂浜と青い海が現れますが、ここもまたフォトジェニックな風景の一つです。

海岸に出ると南北の岩壁には枕状溶岩(まくらじょうようがん)と呼ばれる父島の海底火山を物語る証拠が見られます。その枕状溶岩の急峻な崖に生い茂る低い植物達と、ところどころ剥き出しになったままの岩肌とが作り上げる島の様子と白い砂浜に青い海…もはや日本では無いような、そんな風景が広がっています。
加えて、父島で一番大きなビーチであるにもかかわらず、人影はいつ行ってもまばら。
内地では考えられないような光景ですね…

もう少し歩けるよ!という方は小港海岸から15分~20分ほどでたどり着く中山峠もおすすめポイント。あまり尾根筋を風景を眺めながら歩くことが出来るという場所が少ない小笠原にあって、絶景を目にしながら歩ける貴重な尾根道が中山峠。
晴れた日のここからの風景は本当に美しくて・・・。思わず叫びたくなりますよ!笑 
是非体力に余裕がある方は足を伸ばしてみてくださいね。
ちなみに中山峠まで行くときには、道はそれほど険しくも長くもないものの、岩場や木の根などがむき出しになっている場所も多いので靴もお持ちになって下さい。

 

~アクセス情報~
~遊歩道入口・車輌の駐車場まで~
・村営バス:大村(役場前)から小港海岸バス停まで20分(バス停から海岸は徒歩1分)
・車:大村から小港園地駐車場まで15分、駐車場から小港海岸まで約7~8分
・バイク:大村から小港海岸入口の駐輪場まで約20分(駐輪場から海岸は徒歩1分)
・電動アシスト自転車:大村から約40~50分
~遊歩道入口・車輌の駐車場まで~
・小港海岸:小港園地から徒歩10分。小港バス停ロータリーから徒歩1分。
・中山峠:小港園地から徒歩25~30分。小港バス停ロータリーから徒歩15~20分。

4.境浦海岸

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大村と扇浦の中間点。
都道・湾岸線「境浦」バス停がある駐車場から道路を渡り急な坂道を降りていくと、巨木に囲まれた休憩所とお手洗いが現れ、もうその目の前が海岸となっています。

太平洋戦争中に座礁してしまった陸軍の徴用船「濱江丸(ひんこうまる)」が陸から見られる事でも有名な海岸で、波打ち際からしばらくは比較的浅い海底が広がるため、この濱江丸まで海岸からシュノーケリングで泳いでいくことも出来ます。
海水浴やシュノーケリング目的で、お飲み物やお弁当をもって半日くらいのんびりするのもおすすめの海岸です。

最近では海に向かって海岸をしばらく左(南側)に進んだ波打ち際の倒木に作られたブランコがインスタ映えポイントとしても有名。上げ潮(満潮時)には砂浜が波に隠されてしまいますので濡れても大丈夫な履物で行きましょう。

二見湾内ということもあり比較的穏やかな事も多い海岸ではありますが、台風や低気圧の通過後は海底の砂が舞ってしまい、しばらくは濁ってしまうこともありますので天気予報などもよく見て訪れてくださいね。また、泳ぐ際にはできるだけ一人での遊泳は避けて2人以上での遊泳をしましょう。どうしても一人での遊泳となる場合には、お宿の方などにどこで泳がられるかを予めお伝言してから出かけましょう。
ちなみに、この境浦海岸のバス停は、「東京都最東端のバス停」ですよ。

~アクセス情報~
・村営バス:大村(役場前)から「境浦」まで6分
・車:大村から境浦の駐車場まで約4~5分
・バイク:大村から境浦まで約10分
・自転車(電動アシスト):大村から約20分
・徒歩:大村から約40~50分

5.大村海岸(通称:前浜)

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町中でのんびりしたい…という方々もご安心を。町中にだって美しい場所があります。
その代表といえばやはり大村海岸。島民の間では島の中心地、大村の前にある海岸なので“前浜(まえはま)”と呼ばれていて、島の幼児達の多くが“海デビュー”をするのもこの大村海岸。島の人達にとっても憩いの場です。

港から歩いて2~3分のところにありアクセスも楽ちんで、休憩所やお手洗い、シャワーもあるので、大村のスーパーなどでお弁当と飲み物を買ってのんびりするもよし、ひと泳ぎしたあとシャワーを浴びてのんびりとするもよしです。
また、周辺(徒歩圏内)には「小笠原ビジターセンター」「世界自然遺産センター」「水産センター」などの見学可能な施設もありますので、おがさわら丸の入港日の午後や出港日の午前中などの空いた時間をお過ごしいただくのにも良いですね。
ちなみに、前浜で泳がれる場合には、海中に岩や珊瑚の破片などが多くあったりしますので、足を切らないようにご注意下さい。

 

~アクセス情報~
二見港から徒歩2~3分。

 

6.イルカ・クジラ・ウミガメ達がいる風景

小笠原への旅行の目的といえば、青い海に生きるイルカやクジラに出会うため、という方も多いですよね。
小笠原諸島を取り巻くような外洋域は根本的な栄養分が少ない場所も多く「青い砂漠」と呼ばれます。一方でその外洋に小笠原のような島があると、海底から聳える小笠原の島々は海の中で壁となり、海底深くに流れている深層流とその中に含まれる栄養分がその壁に当たって湧き上がってくる“湧昇流(ゆうしょうりゅう)”を作ります。この栄養が島の周りにもたらされることで植物プランクトンが生まれ、それを求めて動物プランクトンが集まり、更にそれをエサとする魚類や頭足類(イカやタコなど)も集まり、さらには海の食物連鎖の上位にいるイルカやクジラ達が周年生息できる海域となるのです。
いわば小笠原は青い砂漠の中にあるオアシス、そしてイルカやクジラ達はその青いオアシスの住人達というわけですね。

 僕ら人間にとってはなくてはならない場所であるのと同時に“別世界”でもある海。そこに生きる彼らの世界に出かける時に大事なのは彼らの世界に“お邪魔する”という気持ちを忘れないこと。
 彼らとの間の超えてはいけない大事な距離感を忘れなければ、一生モノの出会いがあるかもしれませんよ♪

 ★小笠原の野生のイルカやクジラたちに出会うには「ボートツアー」へご参加頂く必要があります。詳細のご確認についてはお問合せくださいませ。

<小笠原で出会える可能性のある主な鯨類4種>

・ミナミハンドウイルカ(ウォッチングシーズン:周年)

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船上からのウォッチングは勿論、いわゆるドルフィンスイムの対象になるイルカです。体長は大人で2.5m程になりその体躯は非常に逞しくて、水中で見るととても大き
く感じると思います。初めて見るとびっくりするかも…。時に人に興味を示して、手を伸ばせば届きそうなくらいの距離を泳いでくれる事もありますが、決して彼らに触
らないようにしてくださいね。
また、ドルフィンスイムにはそれなりのスキルも必要です。どうしてもイルカと一緒に泳ぎたい、という方はシュノーケリングに慣れているのに越したことはありません。
小笠原では父島到着日の午後半日にそうした方向けのシュノーケリングレッスンというツアーも行っていますので、シュノーケリングが初めての方や久しぶりという方は、シュノーケリングレッスンにご参加頂くとドルフィンスイムもより楽しめます。
ちなみにミナミハンドウイルカとドルフィンスイムをしていると、イルカ達の体にへんてこりんな形をした魚が張り付いているのをよく見かけます。多くのイルカについているこの魚はコバンザメ。背びれが吸盤状に変形していてそれで自分より大きな魚やイルカ、クジラ、マンタなどにくっついてエサのおこぼれを狙っているんですね。
もしイルカ達が自分の近くを泳いでくれて、その体にくっついているコバンザメが見えたらよ~く観察してみると、ちゃんと目と口があるのも分かります。漫画に出てきそうな面白い顔していますよ。イルカの立場になってみると見るからに邪魔そうなこのコバンザメ。イルカはやはりこのコバンザメが嫌なのか、よく体をよじったり水面に打ち付けたりしているのですが、コバンザメはそれを上手くかわすんです…そんなイルカとコバンザメの攻防にも注目です!

 

・ハシナガイルカ(ウォッチングシーズン:周年)

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ミナミハンドウイルカに比べると一回り小型のイルカで体長は2m程。ミナミハンドウイルカと違って、人が見ずに入るとサ~ッと遠ざかってしまうちょっとシャイなイルカ達ですが、ウォッチングボートにはよく寄ってきて船首が作る波に楽しそうに乗る姿が見られたりします。
ハシナガイルカはそうした船上からのウォッチングがメインとなります。
英名はSpinner Dolphinと呼ばれ、スピンジャンプが得意。時折見上げるようなジャンプを見せてくれると船上は歓声で沸き立ちます。
夕方から沖合にエサを求め移動し、明るくなると沿岸域へ戻って休息を取るイルカ達なので、ウォッチング船で彼らに出会う時はゆったりまったり休息している時かもと思って優しく見守ってあげてくださいね。
一方でスピンジャンプなどを繰り返しているときには目が覚めている時。特に昼下がりだ段々と目覚めて夕方が近づき狩りに出る時間が近づくと彼らのジャンプなども見られることが多くなり、そんなときには普段白いお腹がピンク色に染まっている事も。そんな彼らの独特の行動も観察してみてくださいね。

 

・ザトウクジラ(ウォッチングシーズン:1月~4月)

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小笠原の冬~春の観光の主役達です。夏場は北の高緯度海域(カムチャツカ、アリューシャン列島周辺、アラスカ周辺など)
で採餌を行い、冬から春にかけ、小笠原の他、沖縄、ハワイなどの低緯度海域で繁殖活動、出産、子育てを行うくじらで、その大きな回遊ルートは片道5000kmに及びます。体長はおとなで13~14m程、生まれたての子クジラでも4~5m程ある大型のヒゲクジラの仲間です。
このザトウクジラを対象として、小笠原は1988年に日本で初めてのホエールウォッチングが行われた場所でもあります。1988年にホエールウォッチングが始まる前年まで小笠原では母島の東港を拠点とする基地式捕鯨が行われていましたが、1987年の国際的な商業捕鯨の禁止に伴いそれも終焉を迎え、翌1988年に日本で始めてのホエールウォッチングが実施されたのです。ただ、その時にはかなりザトウクジラの数も少なくなっていたのか(ザトウクジラは1966年に北太平洋での捕鯨が全面的に禁止)、ホエールウォッチングを始めたばかりの頃は、岸から遠く離れたところでしか、さらに数もあまり見られなかったというザトウクジラ。それでもホエールウォッチング開始から30年以上の時が経ち、ザトウクジラ達の数も回復傾向に転じ、ここ小笠原でも見られるクジラ達との距離感がだいぶ縮まって来ています。ホエールウォッチングのピークシーズンにはウェザーステーションなどの展望台やハイキング中の山道からもクジラ達の姿がたくさん見られますし、天候が悪く海に出られないという日を除けば、ホエールウォッチングのツアーでもかなりの高い確率で、時にはすぐ船のそばに寄ってくるクジラにも出会える様になりました。10mを超す大きなクジラが間近でブローを上げ、ブリーチングと呼ばれるジャンプや尾ビレや胸ビレを叩きつけるなど様々行動を見せてくれる。これは実際にご自身の目で見て感じていただかないとその感動を伝えるのは難しいですが、ご覧頂ければ忘れられない風景として心に刻まれるでしょう。
 

 【ホエールウォッチング自主ルール】
・クジラから300m以内を減速水域とする
・クジラから100m以内を侵入禁止水域とする。ただしマッコウクジラについては50m
・クジラの進路や行動を妨げないようにする

 

・マッコウクジラ(ウォッチングシーズン:5月~11月)

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ザトウクジラ達の姿が見られなくなった後、小笠原の海が段々と静かになってくると今度はマッコウクジラのウォッチングシーズンです。マッコウクジラはザトウクジラと異なり一年中小笠原の外洋域に生息している大型のハクジラで、遭遇率は概ね60%くらいと言われています。
広い海でマッコウクジラを探す時に目印となるのがブローと呼ばれる呼気。ザトウクジラやイルカ達と同じく哺乳類であるマッコウクジラも勿論肺で呼吸をする生き物です。長い間水中で息を止めていたクジラたちが水面に上がり息を吐き出すと肺で温められた空気が外気と触れることで白く霧散します。マッコウクジラの場合はこのブローが斜め45度の角度で上がります。ちなみにザトウクジラはほぼ真上に上がるブローです。そんな斜め45度のブローが上がらないかどうか水平線に目を凝らしてみましょう。

小笠原で見られるマッコウクジラは主に母と子から成る母系の集団ですが、ずっと同じ群れが小笠原の近くにいる訳でもないようで、群れは入れ替わるそうです。それぞれの群れがどこから来てどこに行ってしまうのか、詳しいことはわかっていません。
おとなのメスのマッコウクジラは体長が11mほどですが、時折それよりも明らかに大きなオスのマッコウクジラが見られることも。繁殖目的でそのオスがやってくる場所でもあります。

マッコウクジラの見られる海域は水深が1000mをこすような深い海域で、島では“マッコウ海域”などと呼ばれ、ここがまさに湧昇流による深海からの栄養をもたらす場所でもあります。そうした場所にはマッコウジラのみならず、他の鯨類などもやはり集まることがあり、マッコウ海域に出かけるとマッコウクジラだけではなく、マダライルカ、コビレゴンドウ、オキゴンドウ、ハンドウイルカ、シワハイルカ、アカボウクジラ、コブハクジラ、サラワクイルカ、ニタリクジラなどなど、沿岸域ではまず見られない小笠原でもレアキャラに出会えることも!また内地では見られない海鳥のウォッチングチャンスも。
吸い込まれそうなボニンブルーの海で何に会えるかわからないワクワク感じながら船上で過ごす時こそが、マッコウ海域と呼ばれる外洋域に出る最大の魅力です。

 

・アオウミガメ

アオウミガメ(子ガメ)
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イルカ・クジラと並び小笠原の海洋生物で有名なのがアオウミガメ。

ザトウクジラ達のように小笠原を繁殖海域として利用する成熟個体が春先から夏にかけて多く見られる他、“ウェントル(ウィンタータートルが訛ったものと言われます)”と呼ばれる、夏だけではなく冬も小笠原周辺で成長期を過ごす子ガメ達も周年島の周辺で見られます。
繁殖期(2月頃から)には二見湾内でもアチラコチラで水面に浮かぶカメ達が見られ、産卵期(6月~8月はじめくらい)に入ると海で見られるカメ達の他、父島各所のビーチに多くの母ガメが上がって来て産卵を行います。町中の大村海岸も母カメ達の産卵場所の一つで、夜歩いていると産卵に上がってきたウミガメ達に出会うこともあるんです。ただ、産卵のために上がってくる母ガメ達、夜の暗いはずの海岸にライトが照らされているだけでそれを嫌がって海に帰ってしまいます。特にウミガメ達の産卵時期には、夜の海岸を歩く際に使うライトで照らすのはご自身の足元だけにして頂き、前方にウミガメがいないかどうかを照らして探すのような事はしないであげてくださいね。小笠原の海岸はウミガメ達の大切な命をつなぐ場所なのです。

産卵にあがって来たウミガメ達を暗い夜肉眼で見るのはなかなかハードルが高いのですが、小笠原にはELNA(エバーラスティング・ネイチャー・オブ・アジア)が運営する「小笠原海洋センター」というアオウミガメの保護・研究を行っている施設もあり、“ウミガメ教室(要予約)”など、小笠原ならではのプログラムも実施しておりますので、じっくりウミガメを間近で観察し、より深く知りたいという方は是非訪れてみてくださいね。

7.マジックアワー

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マジックアワーとは写真用語で、水平線に太陽が降りる大体40分前後の時間を指し、この時間に写真を撮ると誰でも魔法のような美しい写真が撮れるというのが由来だそうです。
小笠原でも是非、そのマジックアワーに出掛けて島の風景を切り撮ってみませんか?
勿論切り撮る場所はそれぞれの自由。海岸や園地、展望台など島の数ある景勝地で切り取る写真にあなた自身で魔法を掛けちゃいましょう。

各サンセットポイントには、出来れば日没の30~40分前くらいには到着して日の入りを待つのがおすすめ。太陽が水平線に近づき段々と空の色や雲の色が夕暮れの色に染まっていき、水平線にいよいよ太陽が沈んだその後も、夕暮れと夜の境目の空のグラデーションがこれまた美しいので、是非、時間に余裕があればしばらく空を眺めてみて下さいね。

ちなみにマジックアワー、日没前の約40分(太陽高度が約6°)位をゴールデンアワーと呼び、一方で日没後の約40分をブルーアワーと呼びます。
ゴールデンアワーには水平線に近づく太陽の光線が柔らかくなり、夕暮れの写真の中でも陰影と周辺の風景とのコントラストも和らぎ独特の世界に。
一方でブルーアワーでは、青のグラデーションが美しい時間帯。特に雲のない晴れた日、日没してから20~30分経った頃の青の世界は本当に美しいです。

また多くの方は日没時に水平線にストンと落ちる瞬間を見たいという方も多いと思いますが、実は水平線に雲がまったくないと言うことは実は少ないんですよね…しかし!実は雲があったほうが夕暮れの空はドラマチックです。夕焼けだって雲があったほうがより美しい。少し雲が多くても諦めずに夕暮れ時に外に出てみて下さい。びっくりするような美しい夕空に出会えるかもしれませんよ。
夕暮れ時の魔法がかかるマジックアワーは刻々と表情を変えますので、撮影を目的にされる方はしっかりと準備をして早めに目的の場所に到着するように余裕を持って動きましょう♪

 

おすすめサンセットシアターin父島
・ウェザーステーション
・製氷海岸(冬季)
・境浦海岸近く、都道沿いの駐車場(冬季)※
・境浦と扇浦海岸の中間にある道路沿いの歩道(夏季)※
・扇浦海岸(6月~8月)
・洲崎(二見湾側/6月下旬から8月下旬)
・洲崎(南側/10月~4月位)
・小港海岸(冬季)
・中央山
※道路沿いで夕陽を観望する際には、バイクや車輌の駐車が他の方の迷惑にならないように十分にご注意下さい。

8.銀河を間近に感じる風景(父島の星空)

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宮之浜
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星空
大村海岸(前浜)
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さぁ、父島のおすすめ風景8選。
トリを飾るのは小笠原で見る星空です。

父島は日本列島から直線で約1,000km、国内で一番近い有人島である青ヶ島からでも約640km、南の北マリアナ諸島のサイパン島まで約1,370km近く離れています。そんな父島の夜は色を失った海に取り囲まれ、内地では感じられない暗さです。故に最高の星空を見上げることが出来る場所になるのです。
小笠原のすごいのは、特に高い山に行くわけでも、遠くに行くわけでもなく、お宿のそばの少し暗い場所に行けば、星空が見られ、また10~15分も車で走れば人工的な明かりのない場所で満点の星空を眺めることが出来てしまいます。
私も星空の撮影にしばしば出かけるのですが、何度見てもこの島の星空は飽きることがありません。

特にお天気さえ良ければどのシーズンでもいい星空や月を楽しむ事が出来、また、三大流星群(しぶんぎ座流星群、ペルセウス座流星群、ふたご座流星群)などの時には年にもよりますが、多くの流れ星を見ることが出来ます。
「星ってこんなにあるんだ~…」と思わずため息が漏れるような素晴らしい星空。
星が見えすぎて星座もどれがどれだかよく分からなくなるようなそんな星空を目の当たりにし、自分たちが存在する銀河を間近に感じます。

星空をご覧になるにはスターウォッチングツアーやナイトツアーなど、ガイド付きで星空を眺めることが出来る場所へ連れて行ってくれるツアーへ参加するもよし、ご自身で星空ポイントへお出掛けになるもよし、です。
ご自身で行く場合には、各ポイントともに本当に暗いので、懐中電灯などをしっかりと携えていって下さい。基本的に危険な生き物がほとんどいませんが、稀にムカデに咬まれることがあります(私も数回咬まれています)ので、夜のお出かけの際には夏場でも靴の着用がおすすめです。
また、各ポイントでは他にも星空の鑑賞を楽しんでいたり、撮影をしている方もいらっしゃいますので、自分都合だけで懐中電灯で辺りを照らしすぎないよう、周りへの配慮もお願いします。
それでは、小笠原での銀河体験を楽しんでくださいね!

~おすすめ星空ポイント ※( )内はその場所から星空が見える方向~
・前浜(頭上・東~南~西/ビジターセンター裏の街灯の明かりが届かない場所)
・ウェザーステーション(頭上・北~西~南)
・宮之浜(頭上・北/低いところは山陰や森景あり)
・旭平展望台(頭上・北~東)
・中央山(全方角)
・洲崎(頭上・南~南東)
・コペペ海岸(頭上・南西/低いところは山陰あり)
・小港海岸(頭上・全方角/低いところは山陰あり)